"INFECTIOUS WORLD"
Group Exhibition Nanako Kawaguchi, Ikumi Nagasawa, and UMA
24 July - 7 August 2022
ここ数年の内に、私達の世界との接し方は急速な変化を求められました。
それと同時に、我々一人一人と世界とが、どのように繋がって影響し合っているのか、物理的にも精神的にも、改めて考えさせられました。今もなお私達とこの世界とは、強いショックからの反作用のように、力強くあらゆる手段を駆使して互いに繋がり感染を繰り返し、未来へ拡張しているように見えます。
そして現在進行形でアーティスト達は、複雑に染み広がる思考や感情を必死にその目に捉え、作品として世界に顕現させようとしています。
本展では、”Infectious World” と称し、川口奈々子、長沢郁美、UMAによるグループ展を、ギャラリーでのフィジカル作品展示とバーチャルギャラリーでのNFT作品展示での同時開催にて行います。
長沢郁美、川口奈々子の作品は一見してカラフルで明るくかわいい印象を受けますが、その作品をじっくり鑑賞し絵の中に足を踏み入れると至るところに闇も潜んでいます。その光や闇がどこから来るのか、きっと作者本人の理解をも超えたところから来るのではないか。2020年に突如広まった新型コロナウイルスもどこからきたのか正確にはわかりません。その人智を超えた厄災に世界は翻弄されました。それを闇と言うことも出来ますが、悪いことばかりではなかったはずです。外出やコミュニケーション、愉しみを制限されることで自分自身と向き合い、静かに思考する時間が増えました。それはちょうど100年前のスペイン風邪が猛威を振るった時代、芸術家たちは閉じこもり、内省的に精神の奥深くへと潜ることで唯物的な思想から開放され、シュルレアリスムや幻想主義を開花させた歴史を思い出させます。
現代美術においてコンセプトが最重要であるかのような価値観が長く続いています。作品は自由さよりひとつのコンセプトに縛られることで安心することを望んでいるかのようにも見えます。
この新型コロナの時代もまた変革の時だとしたらそろそろコンセプトから開放されても良いのではないか。長沢氏、川口氏、そして謎のグループUMAの純粋なものづくりの衝動はコンセプトを超えていけるのではないかと考えこの展覧会を企画しました。
コロナ禍で苦労されていることも多いと思いますが、この状況だからこそ、アートを通して少しでも気持ちを明るくできればと思います。できる限りの感染対策を講じて開催致します。ご多用のところ 誠に恐縮ではございますがご来臨の栄を賜りたく 謹んでご案内申し上げます。
Nanako Kawaguchi
かわいいもの、少しの毒気、そして日常に潜む言葉になる前の無意識の微かなイメージをコラージュで表現し、それらを元にドローイングやペインティングを制作する。
2005年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画 修了
主な個展
2020年 「prev / next」KOBE STUDIO Y3(兵庫)
2019年 「ドローイング・マニア」 studio J (大阪)
2009年 「 7人の小人はまだ来ない」Yuka Sasahara Gallery(東京)
主なグループ展
2021年 「Art Fair The Terminal」The Terminal Kyoto(京都)
2016年 「ヨッちゃんビエンナーレ」 KOBE STUDIO Y3(兵庫)
2013年 「Jerwood Drawing prize」 入選 Jerwood visual arts(ロンドン)
2008年 「VOCA展2008」 上野の森美術館(東京)
Ikumi Nagasawa
1980年東京生まれ。2006年女子美術大学大学院洋画専攻修了後、国内外で個展やグループ展などで発表を続ける。
2012年から2014年まで上海に滞在し制作を行う。不安や違和感とその背後に潜む希望など、日常の中で感じる曖昧な感情や感覚の視覚化をテーマに制作をしている。
現在、女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻 非常勤講師。
主な展示歴
2018 個展 木之庄企畫(東京)
2015「Painting by Four」 ZEIT FOTO SALON (東京) 2013 個展 office339 (上海)
2010 個展 東急本店美術画廊(東京)
「Animamix Biennial」
上海当代芸術館、北京 今日美術館、 広東美術館
2008 個展 V-gallery (スイス、バーゼル)
UMA
Unidentified Mysterious Artists
未確認芸術家集団。
この世界から、未だ価値の定まっていない未開の地の粗野なモノ・コトを見出し、それをまた世界に還元したいと共謀する名もない者達。
These NFT artworks bring to you once again the childhood memories of wanting to get the colorful character masks lined up at the summer festival stalls.